書肆短評

本と映像の短評・思考素材置き場

2013-01-01から1年間の記事一覧

12/14 國分功一郎×東浩紀「来るべき民主主義」講 #genroncafe

1、民主主義論とは---選挙か、行政統制か? (1) 「不断の介入」:行政に対する不断の働きかけ=介入装置とは?ドゥルーズ哲学との関係は? ・東『存在論的、郵便的』『一般意志2.0』との緊密の関係 ・国分著『ドゥルーズの哲学原理』:Story性が強いが、そこ…

12/7 東浩紀『存在論的、郵便的』を読む 講義 #genroncafe

1、概観 ・東のこれまでの仕事:存在論的郵便的、動物化するポストモダン、福島第一原発観光地化計画。 ・問題:ゼロ年代思想の対象が、アニメ、アイドルに収斂した。しかし、ゼロ年代の思想というのは、本来は、このようなサブカル論、ではない。そのため…

12/3 かぐや姫の物語: 視聴雑感

1、雑感 ストレートに話が展開されて行く。わかりやすく、謎も特に残されていない。画も綺麗。 なので、特に自分が語ることはない(ほんとにない)。すごくよかった。個人的に『風たちぬ』より好み。 以下は、蛇足の備忘録。 2、場面と構造 「かぐや姫の物…

11/22 東浩紀・千葉雅也 「関係しすぎない関係を巡って」 #genroncafe

今回は実況をしていたので、自分のtweetから切り貼り。 --- (冒頭):千葉・東の出会いについて。 千葉:QFについての会で存在論的郵便的についての反響を受けた。 東:その後、『思想地図』で原稿依頼。哲学論文でもファッション論でもない「変わった」テ…

さやわか×村上裕一×坂上秋成 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』最速座談会!! #genroncafe

『魔法少女まどか☆マギカ』最速座談会。 よかったけれど、すこし生々しい感じで紛糾するかもなぁとおもって躊躇っていたら、exicite newsに載ってて吃驚している。 (前編)http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20131115/E1384448530900.html (後編)ht…

11/4文学フリマについて。『Anime Critique vol.1』付属ペーパー作成 #bunfree

もう一つ。明日映画に行くこともあいまって、 『Anime Critique vol.1』 http://nag-nay.hatenablog.com/entry/2013/10/25/225620 付属のペーパーとなるもの(ホチキス止めの小冊子(p.20-36程度))を頒布するかもしれません。 内容は、【2013年公開劇場版…

11/4文学フリマについて。『Anime Critique vol.1』【特集1 岡田麿里2008-2011】【特集2 「物語の終わり」/ゴースト】にて、寄稿・デザイン担当 #bunfree

『Anime Critique vol.1』【特集1 岡田麿里2008-2011】【特集2 「物語の終わり」/ゴースト】の発刊に寄せて、寄稿しました。取り扱い作品の詳細は下記にて。 http://blog.livedoor.jp/anime_critique/ 表紙はこんな感じ。『true tears』から乃絵です。 @y…

11/4文学フリマについて。『アニバタ』京都アニメーション特集、寄稿しました。詳細決定。 #bunfree

TVアニメ『氷菓』について、一つ評論を『アニバタ』に載せていただくことになりました。『アニバタ』についてはこちらから。 http://www.hyoron.org/anibata6 担当くださった群馬さんの編集作業がかなりしっかりしていて、本当はその成果の一部でもおみせし…

9/21 生貝直人「誰がインターネットを統治するのか―「ised情報社会の倫理と設計」が現代の法制度にもたらす意味―」 #genroncafe

生貝直人「誰がインターネットを統治するのか―「ised情報社会の倫理と設計」が現代の法制度にもたらす意味―」 #genroncafe 1、総論:誰が統治するのか ①トップダウン:立法行政司法 vs. ボトムアップ:市場企業個人 パターナリズムとリバタリアニズムの中間…

7/28-9/15 3学期:「ひらめき☆マンガ学校」改め「☆」 西島大介・さやわか #genronafe

【3学期1時間目】 7/28 ひらめき☆マンガ学校 西島大介・さやわか #genronafe 1、一学期の振り返り (0) ばるぼら書評 「ひらマン=ポストモダン」(「さるマン=モダン」) ・マンガ概念拡張 ・マンガ家概念拡張 (1) コンセプト 漫画家のデビュー方法の多…

8/19 東 「『一般意志2.0』とその後」第七回 メモ #genroncafe

8/19 東 「『一般意志2.0』とその後」第七回 メモ #genroncafe 0、前談:福島第一原発観光地化計画について 【 (1) 観光地化計画の現状:都心との関連】 【 (2) 福島へのおそれ(忌避)強化ではなく、福島支援に向かう方向へ:知的生産の軸を】 【 (3) コン…

8/3 脱構築研究会「ポール・ド・マンと脱構築」 発表メモ(未了) #脱構築研究会

0、冒頭 デリダ没後10年(鵜飼:デリダ哲学の不在) (宮崎) 「脱構築されるべきものを構築する。脱構築それ自体の脱構築」 「署名できないものの名、そのもの」 (鵜飼) 「plus d'une langue(ひとつならずの言語/もはやひとつの言語はない)」 1、発…

7/26 東 「『一般意志2.0』とその後」第六回 メモ(了) #genroncafe

0、目次 1、政治状況(政界再編の一旦の終焉)について 【 (1) 政界再編の終焉による影響】 【 (2) ネット選挙と熟議の困難の現れ】 【 (3) 熟議vs.リアルタイム動員(ソーシャル・ネット)】 2、民主主義=一般意志、を統御する「決定」の役割 【 (4) 民…

7/26 東 「『一般意志2.0』とその後」第六回 メモ(※途中まで) #genroncafe

完了版→ http://nag-nay.hatenablog.com/entry/2013/07/26/211221

『氷菓』視聴雑感: 遠近法的遡行ではない「謎-解き」のかたち

「大幅に書き換えて、別紙掲載予定」としていましたが、下記エントリ( http://nag-nay.hatenablog.com/entry/2013/10/25/224112 )にて告知しましたとおり、評論同人誌アニバタvol.6にて、掲載させていただきました。12000字で長いですが、王道のミステリと…

『Air』視聴雑感:きおく〜 a-mnesia 〜

1、雑感 TV版『Air』、終わりの4話を中心に見返してた。ストーリーの展開(とたたみ方)はご都合主義と云ってしまえばご都合主義に見えるかもしれない。けれど、視線の無能力と無責任さを常に視聴者に対して痛々しく可視化させてくれるという点では、やは…

6/20『言の葉の庭』視聴雑感:絶えざる「距離」、「約束」の予感

新海誠の最新作『言の葉の庭』を先日観た。しかし筆者は、新海作品については、うまく物語を解釈する事ができないでいて、今回の最新作でも、どこに力点を置いて観ればいいのか、見終わったあと時間を置いた現在でも、明確に把握できていない。(要するに、…

『たまこまーけっと』視聴雑感:「好きにしていいんだよ」に憤るたまこ、および、過ぎ去る時間を受け止める「商店街」

今更ですが、急に思いだしたので、記憶限りで『たまこま』で気になったことを書いておきます。 1、「好きにしていいんだよ」がもたらす暴力 (1) 導入 『たまこま』では、最重要のメチャ王子に関する事件を除いては、事件らしき事件はあまり起こらない。たま…

東 「一般意志2.0』とその後」第五回 メモ #genroncafe

東 「一般意志2.0』とその後」第五回 メモ #genroncafe 目次 1、前回の復習: 2、概観 【 (1)政治的決定とは何か?: 構造としての「基盤」→「決定」→…】 【 (2) 主体と意志との関係:「意志」の基盤となる「主体」の位置】 【 (3) ドストエフスキー『カラ…

「 チェルノブイリの現在、福島の未来」 宮台-東対談 メモ #genroncafe

「 チェルノブイリの現在、福島の未来」 宮台-東対談 メモ #genroncafe (全体の概観) 1、観光地化についての概観 【 (1) 事故の忘却曲線に抗う必要性】 【 (2) 事故という多面体】 2、情報=チャンス=コミュニケーションの継続の必要 【 (1) テクノロジー…

『花咲くいろは』(TV+劇場版) 視聴雑感: 自ら名付けた名を学ぶ…「ぼんぼり方」の方法論

※原則として、このブログの短評群は、作品を視聴後直に(評論を見ずに)書いている。例外的にこの『花いろ』に関する記事は、TV版で見ていなかった歯抜け部分を @makito3 の『花いろ』論読了後に、補完する事になった。(通して見返すいい機会になり、とても…

2013/06/09『中二病でも恋がしたい!』視聴感想:恋を”しない”中二病、恋を”知らない”中二病…「妄想の…交差配列」

「大幅に書き換えて別紙掲載予定、」としてましたが、掲載予定もずいぶんさきになりそうなので、現段階(2013/6/14)のものを載せておきます。 ------ 0、序 (1) 『中二病でも恋がしたい!』(『中二恋』)は、中二病の過去を消し去りたい高校生富樫勇太と…

4/25 鈴木健「戦慄系宣言」講演 質疑メモ

まとめ忘れていた4/25鈴木健先生、『なめらかな社会とその敵』の発売に併せた講演会のメモが発掘されたので、とりあえず…。(Q5は事後に質問した事項) Q1.) 『なめらかな社会とその敵』の作成経緯(19:40-) ・13年前、PICSYモデルは(シャワー中に)急に…

劇場版『Steins;Gate---負荷領域のデジャヴ』視聴感想:痛みとともに可能世界の記憶を保持・生成し続けること(仮)

1、雑感 劇場版『Steins;Gate』は(ひとまず原作を措くとすれば、)TV版『Steins;Gate』の続編として、その1年後からの世界が描いている。 ざっくりといえば、TV版は岡部倫太郎視点から牧瀬紅莉栖の救出劇・世界線の選択劇を描いた物語、劇場版は牧瀬紅莉…

5/29 藤村龍至講義 「建築2.0 建築からアーキテクチャへ」メモ取り #genroncafe

【Section1:①芸術の建築か、②工学の建築か?】 ---日本:社会的な事件が起こると建築家の役割が分岐していく 1、1920年代:関東大震災後: ①分離派vs.②構造派 2、1960年代:巨大建築論争: ①アトリエ(建築家)派 (東京海上ビル:レンガ:配慮ある建築…

5/25 「すべてがちょっとずつ優しい世界」展 西島大介×水野祐 「Magic and Law―複製芸術における権利の境界線」に伺ったメモ(5/28加筆完了)

5/25 「すべてがちょっとずつ優しい世界」展 西島大介×水野祐 「Magic and Law―複製芸術における権利の境界線」に伺ったメモ(5/28、加筆完了:主に問題提起2以降) 1、概要 西島大介さんの「すべてがちょっとずつ優しい世界」の展示が現在(~6月8日ま…

5/24 渋谷慶一郎 『THE END』メモ (書き途中)

死すことが運命づけられた存在は死ぬ事が「できる」存在である。死すことが運命づけられない存在には、死ぬ事が「許されない」。死すことが運命づけられた存在は、存在することにそれ自体により(ありふれた)偶然性を内包してしまってはいる。一方で、死す…

5/24 東 一般意志講義 第4回 #genroncafe

1、前期と後期のデリダが違う ・東浩紀=「声」を信用しない=脱構築「言葉の解釈はどうにでもなる」 ・1980以降倫理的展開以降のデリダ=「言葉の向こう側に真実がある」「法は脱構築可能(計算可能)である、正義(証言)は脱構築不可能(計算不可能)で…