書肆短評

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文フリ新刊寄稿募集 アニメクリティークvol.6.6 続・新房昭之ノ西尾維新『続・終物語』 #bunfree

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1、検討・寄稿募集作品例:

(1)続・終物語及び関連諸作品

 ・化物語
 ・偽物語
 ・猫物語(黒)
 ・〈物語〉シリーズ セカンドシーズン
 ・憑物語
 ・終物語
 ・暦物語
 ・傷物語Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ

(2)新房昭之(総)監督の携わったアニメ作品に関連する評論

(3)他、西尾維新原作作品に関する評論

 

2、寄稿募集要項

(1)募集原稿:

 続・終物語及び関連作品
 

(2)装丁・発刊時期:

 オフセット印刷、A5、32頁程度で企画しています。
 発刊時期は、2018年秋の東京文フリ(11月)です。
 

(3)募集原稿様式

a. 文字数:
 ①論評・批評 : 1500字程度から15000字程度まで。
 ②作品紹介・コラム:300字程度から1000字程度まで。

b. 形式
 .txt または .doc

c. 締め切り
 最終稿:2018/11/23
d. 送り先
 anime_critique@yahoo.co.jp
 ※ 参加可能性がありましたら、あらかじめご連絡いただけましたら幸いです。その際、書きたい作品、テーマ、内容についてお知らせくださると、なお助かります。
 ※ 原稿内容について、編集とのやりとりが発生することにつき、ご了承ください。


(4)進呈

寄稿いただいた方には、新刊本誌を進呈(※ 進呈冊数は2を予定)させていただきます。

 


3、企画趣旨

「文字とは、奇瑞を記し、凶兆を知り、天を動かすものである。個人のためにつくられたものではなく、集団に与えられた恩寵だった」円城塔『文字渦』2018)

「鏡はその裏箔を反映させることはできないが、それなしではそもそもいかなる反映もありえない。鏡の裏箔は下部構造(原-痕跡、差延、代補、再-マーク、反覆可能性)でできており、反映-反省を可能にするものなのだが、それはまた、反映-反省が自己自身へと閉じることを防いでもいる」(ロドルフ・ガシェ 対話「思考の密度」2008年)

 

 本というものには顔があり、裏(奥行き)もある。文字どおり、裏の顔(裏表紙)も、裏の顔の裏(裏表紙裏)もある。文章にも、言葉にも裏の顔(トリック、皮肉 etc.)があり、もしも読まれたならば声にも顔(声音/声色)と裏(裏返り/裏声)がある。解釈が介在する以上、意味が決定不可能な文章というのも存在するし、意味上、映像化不可能な文章というものもまた存在する。

 では、解釈を駆動する最小単位、線/文字には顔があるだろうか?線/文字には裏があるだろうか?(文字を鏡写しにしても左右反転にしかみえない。文字が印刷された紙を裏から透かして見ても、左右反転にしかならない。)

 上記鏡映反転の現象において知られているように、もしも対象物に奥行きがなければ、裏返す操作と反転(逆転)する操作に見かけ上の違いはない。しかし、線/文字に裏面などないことを認めた上で、線/文字(最小単位、個体、キャラクター etc.)に「裏」を(すなわち奥行きを)与えるならば、その時一体どのようなことが起こるのだろうか?(それは、描かれたキャラクターに”原理的に”書き込まれえない裏面を与えることと、どのくらい似ているだろうか?)

 

 「白黑反轉」(©️傷物語から「鏡映反転」へ。西尾維新(原作)×新房昭之(監督)『続・終物語』の鑑賞後、編者に浮かんだ疑問は上の通りである。

 

 西尾維新の終わりを与えるはずの物語のそのまた続き、『続・終物語』の映像化は後日談やファンディスクに収まらない。『続・終物語』は、登場人物による自己の解釈を描き、作者による自作品解釈の挫折を描き、そうして、「心残り」からも漏れ出る残りを、虚構の(しかし、真実の別面でもある)像として浮かび上がらせる。ヴェールの奥から身を現さない忍野忍(=反転に耐えられる文字列「忍 野 忍」のその裏面)はその徴(憑)であり、心残りがないはずの戦場ヶ原ひたぎの別の顔はその証(言)である。

 西尾維新は、膨大な『物語』の系列、上/下(巻)、白/黒にわたる文字の渦を、自覚的に反覆し、ひたすら反転させてきた。その現在としての『続・終物語』は、自身の本の最小構成要素たる文字を裏返す。別のフィクションの内部に取り込んでしまう荒技を映像化するもの、端点を繰り延べるものとして『続・終物語』はある(はずである)

 

 文字の映像化の限界とともに、文字に「裏」を与えるもの、端点(終わり/はじまり)を裏返すもの、永井均森見登美彦の比喩を借りるならば)表返された世界-袋。『続・終物語』をそういうものとして読み解いたら、どのような展望が開けるだろうか。

 

vol.6.6の発刊趣旨は以上である。

 

以上

 

 

 

 

------以下は、vol.6.0の情報

 

 

 

 

「表紙

 

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目次

 

 

I Outline

1.1  ねりま @AmberFeb 
 いまを途中から生きる

II Technology→Narratology

2.1  Dieske @diecoo1025 
 アニメ『化物語』における「キネティック・タイポグラフィ」再考ー「おもし蟹」の表象に見る「ひたぎクラブ」の主題
2.2  tacker10  @tackerx
 失われた接点(キス)を求めて ー「西尾維新×新房昭之×シャフト」論
2.3  橡の花  @totinohana
 文脈的「モンタージュ

III Metaphor→Metonymy

3.1  みら  @paranoid3333333
 鉄血にして/熱血にして/冷血の吸血鬼 ー分断され接続する『傷物語』について
3.2  あんすこむたん  @deyidan 
 ビジュルアル×トリック ークビキリサイクル終物語
3.3 ぽんてぃーぬ 
 映画『傷物語』の力学 ー青年期の終わりと「これからの日本」
3.4  今村広樹 a.k.a yono  @iyono
 なぜメフィスト賞作家で西尾維新作品の映像化が多いのかについて少し考えてみた

 

 

本文

 

 

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(ページサンプルは後日挿入)

 

 

 

 

------------------------------------------以下、発刊趣旨など

 

 

 

1、検討・寄稿募集作品例:

(1)「物語」シリーズ
 ・化物語
 ・偽物語
 ・猫物語(黒)
 ・〈物語〉シリーズ セカンドシーズン
 ・憑物語
 ・終物語
 ・暦物語
 ・傷物語Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ
(2)「戯言」シリーズ
 ・クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い
(3)新房昭之(総)監督の携わったアニメ作品に関連する評論
 ・コゼットの肖像
 ・ぱにぽに
 ・ef
 ・ひだまり
 ・まどマギ
 ・打ち上げ花火
  など
(3)他、西尾維新原作作品に関する評論

2、寄稿募集要項

(1)募集原稿:

 新房昭之×西尾維新をテーマに寄稿募集を行います。折しも、三部作となった『傷物語』がこの2017年1月の公開をもって完結し、シャフト×新房も10年を過ぎた現在、新房(総)監督による西尾維新作品のアニメ化についての総括を行うのが適切であると考え、今回の企画に臨んだ次第です。
 
 さて、新房監督といえば、かつて『幽☆遊☆白書』で激しいアクションを指示するコンテ・演出から、トメの多用やカット数をふんだんに利用した近時のシャフト諸作品まで、幅広い作品を手がけて監督です。例えば、トメの多用については監督本人曰く、現場の制作環境の過密さを緩和するための手法であったともされており、純粋に表現面からの要請とは異なる面から意図的に映像作りをしているとの姿勢も見え、『アニクリ vol.5.0「アニメにおける資本」号』との連続性も意識して同人誌作りができるものと考えています。
 もちろん、新房監督も株主兼制作パートナーとして参加するeggfirmの活動なども含め、アニメをめぐる環境に踏み込んだ検討も募集しています。

 また、西尾維新といえば、文字媒体の特質を遺憾なく発揮した文体・語彙選択で知られているわけですが、そのような作品をアニメ化するに際しての巧拙や功罪については、各人の思うところがあるのではないかと思料します。とりわけ、西尾作品についてはプリプロ段階での緻密な検討が要求されると目されることから、この点についての言及を有する批評については特に力を入れてご寄稿いただけましたら幸いです。

※ もちろん、作品評論の常として、どこまでが新房昭之西尾維新によるものかという線引き問題は生じる(例えば、新房は原作者の参加(クレジットにせよ脚本会議にせよ)を積極的に促す監督として知られるが、原作者との距離はどうか? 例えば、尾石、大沼、宮本、川畑等々との「分業」の度合いはどうか?)ものの、この点を含めた議論喚起をなすべく、この度の寄稿募集を行った次第です。
 ※気になる読者は、おはぎ(@ohagi2334)さんのクレジットリストに詳しいので、参照してください。
 

(2)装丁・発刊時期:

 オフセット印刷、A5、100頁程度で企画しています。
 発刊時期は、2017年春の第24回東京文フリ(5月)を想定しています。
 

(3)募集原稿様式

a. 文字数:
 ①論評・批評 : 3000字程度から15000字程度まで。
 ②作品紹介・コラム:500字程度から2000字程度まで。

b. 形式
 .txt または .doc

c. 締め切り
 第一稿:2017/3/25
 (※ 個別に連絡いただけましたら延長することは可能です)
 (※ その後、何度か原稿の校正上のやり取りをさせていただけましたら幸いです。)
 最終稿:2017/4/15 

d. 送り先
 anime_critique@yahoo.co.jp
 ※ 参加可能性がありましたら、あらかじめご連絡いただけましたら幸いです。その際、書きたい作品、テーマ、内容についてお知らせくださると、なお助かります。
 ※ 原稿内容について、編集とのやりとりが発生することにつき、ご了承ください。


(4)進呈

寄稿いただいた方には、新刊本誌を進呈(※ 進呈冊数は2を予定)させていただきます。

 


3、企画趣旨

(underconstruction)