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9/21 生貝直人「誰がインターネットを統治するのか―「ised情報社会の倫理と設計」が現代の法制度にもたらす意味―」 #genroncafe

生貝直人「誰がインターネットを統治するのか―「ised情報社会の倫理と設計」が現代の法制度にもたらす意味―」 #genroncafe 

 

 

1、総論:誰が統治するのか

トップダウン:立法行政司法 vs. ボトムアップ:市場企業個人

パターナリズムリバタリアニズムの中間はあり得ないか?

 

ex.)ライフログのプライバシー問題

 個人情報保護法の不十分性、自主規制?:跨いだ議論の必要

●前提としての「政府の無力」

 対応に時間がかかりすぎる、技術的複雑性、流動性、表現の自由への配慮…

 とりわけ、レッシグが言うところのアーキテクチャの「私有」…

 

情報社会の二層構造(by東浩紀

 1,身体レベルの、単一の、アーキテクチャ管理

 2,主体レベルの、複数の、コミュニティ管理

 しかし、単一のアーキテクチャは存在しない

アーキテクチャの生態系マップ(by濱野)

 基本的なレベル(現在ではプラットフォーム)が共有された上で、多層的に重なっている状態

 ではプラットフォームに対する制約の必要

政府による直接制約というのは考えにくい。

よって、自主規制の促し、私的なルール形成の促しが必要。

 

 

2、総論:自主規制の問題:自主規制のリスク

 ルールの不在、不適切生(競争疎外)実効性の欠如、認知欠如、民主的正当性無し、自主規制への逃避

 (組み合わせとしての)共同規制  cf.)自主規制<共同規制<直接規制

ex.) 政府はどこまで関与?

 ①政府:直接規制せず、団体を共同規制組織として指名、罰則権限の保持

 ②団体:規制強化の歯止め

【政府関与手法】

 ・ルールの公正性確保

 ・エンフォース面と確保

 ・透明性確保

 ・技術に対する介入補強

アーキテクチャを、誰が、どのようにして、設計するか?】

 ・設計の場の設計

 ・設計プロセスの連鎖として捉えるべき

 ・制度間競争としてのプラットフォーム形成

 ・優しい独裁者に拠る緩やかなガバナンス

 ・民主的価値のアーキテクチャへの書き込み

【共同規制の必要性】

 ・暗黙の公私関係の公式化と透明化

 ・規制の実験場、不確実性のマネジメント(非-一義的解決の問題)

 ・法的安定性と柔軟性の両立

 

3、各論:オンライン・プライバシー

 (事前同意、利用目的通知というが)適切な同意、通知、匿名かとは何か?

 プライバシーに配慮したアーキテクチャとはいかなるものか?

  →監視、遵守、提言の分配

【米国での批判/改善案】

 ・内容自体の適切生

 ・エンフォース面とが機能しない

 ・インセンティヴをもたない企業への有効な手だてなし

 →自主規制重視

  ①プライバシー権利章典

  ②マルチステークホルダーによる行動規定の策定

  ③自主ルール(プライバシポリシー)を守る限り、法執行を免除する(セーフハーバー)

【団体の意義:コントロールポイントの推移】

 ・通信キャリアから、マーケットプレイスの側にポイントが移動

 ・アプリ開発者(〜消費者までの流れ)を縛る公私協定(カリフォルニア)の例

 ・OS、課金決済、DRMなど、検索エンジン、SNS、クラウド事業者、キャリア、プロバイダ…などなど色々ある。個別に規制をさせる方法(現在の方法)

 ・ソフトウェア(多様性、取り替え可能)と制度設計(一貫性、不可逆性)の融和

【コントロールポイントを通じたインターネット統治】

 ・スリーストライクルール、P2Pトラフィックだけを停止するDPI

 ・wikileaks

 ・海賊行為防止法SOPA(サービス停止命令)

 ・エジプト動乱時の切断

 ・政府介入の限界(gooogleの中国撤退劇、DRM自体のopen化要請(appleとフランスの対立)、名誉毀損情報の削除など)

 

4、質疑

 

共同規制が同時

誰が問題に注力し過ぎ?内容への制約についてはどうか?空気よめ以上のものになるか?制約する「原理」は有るのか?

方執行の免除という方法以外に、+のインセンティブはないのか?

マルチ棄ていくホルダー、選び方 

金融はもはや条約規制